コロナ禍でのブライダル司会座談会
コロナ禍でのブライダル司会座談会

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バイリンガル司会 座談会 第2弾
金山珠玉(韓国語)
馬場雪絵(中国語)
弘中光子(英語、アラビア語)

海を越えて夫婦となるカップルは多くいらっしゃいますが、その中でも日本と密接な関係を築いている韓国と中国。そして遠い国と思われがちな中東も、今、日本との心の距離を縮めています。
オフィスオリーブ、バイリンガル司会による座談会第2弾は、韓国語、中国語、アラビア語が話せる司会者たちが、これまでの経験と未来について語ります。


司会者プロフィール

女性司会者・バイリンガル司会者【韓国語】 金山 珠玉

金山 珠玉

韓国語対応でのバイリンガル婚礼司会多数。
婚礼司会1000本以上ほかイベント司会経験多数。
 
皆様が愛と幸せに包まれる心地よい空間をサポートします。
서로 나라의 전통과 문화를 존중 하면서 찾아오신 모든 손님들이 만족 하시도록 성심껏 도와드리겠습니다.
お互いの国の伝統と文化を尊重し、お越しいただいた皆様がご満足いただけるよう、誠心誠意お手伝いさせていただきます。
 

 

女性司会者・バイリンガル司会者【中国語】 馬場 雪絵

馬場 雪絵

中国語対応での婚礼司会。
中国文化公演の企画、制作、司会、および講座。
 
お二人やゲストの方にとっての大切な一日を、心を込めて精一杯サポートさせていただきます

 

女性司会者・バイリンガル司会者 弘中光子

弘中 光子

学生時代からDJ、イベント司会、ラジオ出演、演劇等さまざまな活動を行う。
その後20年余りをエジプトで過ごし帰国後婚礼司会を本格的にスタート、経験多数。
 
会場が一体となって主役のお二人と幸せを分かち合う、ご希望通りのご披露宴となるように、お二人と共に演出させて頂きます。


① 日本の結婚披露宴の全てが新鮮でびっくり!

 
━━━外国語を身につけたきっかけは?

  • 弘中光子(以下、弘中):英語は中学、高校、大学で学びました。社会人として1年ほど働いたあとに、エジプトに渡って25年間住んでいたので、アラビア語エジプト方言を話すことができます。

  • 馬場雪絵(以下、馬場):大学の第2外国語で中国語を選択して学び始めました。大学卒業後に2年間働いてから、中国に留学して、1年半ほど北京に住んでいました。日本に帰国してからは、中国の人たちと一緒に仕事をして、さらに中国語を身につけました。

  • 金山珠玉(以下、金山):私は在日韓国人の3世なので、小さい頃から家庭で韓国語に触れながら、民族学校に通って韓国語を習得しました。社会人になってからは在日の芸能団体で司会や歌の活動を通して、さらに韓国語をブラッシュアップしました。

 
━━━バイリンガル司会として特に思い出深い結婚式は?

  • 弘中:私にとって1番の思い出は、エジプト人の新郎の結婚披露宴を担当したことです。オフィスオリーブの私のプロフィールにはアラビア語ができることを書いていますが、それを見てご指名していただいたカップルが、新郎がエジプト人、新婦が日本人でした。エジプトで暮らしていた私にとって、日本でエジプト人の新郎からご依頼がいただけたことにとても驚きました。100名ほどの結婚披露宴で、日本語、英語、アラビア語の3ヶ国語で司会をしました。エジプトからいらしたご家族には、日本人の司会者がアラビア語をしゃべれるということに、とても喜んでいただけました。私自身も一生忘れない、アラビア語が話せたからこそのとても素晴らしいご縁での司会になりました。

 
━━━エジプトから来日されたご家族は日本の結婚披露宴に驚かれたのではないでしょうか?

  • 弘中:そうですね。私もエジプトで何度か現地の結婚式に呼んでいただいた経験がありますが、エジプトの結婚披露宴は食事をする時間もありますが、ほとんどの時間で新郎新婦もゲストも踊っていることにとても驚きました。日本の結婚披露宴のような決まった進行も基本的にほぼありません。唯一同じなのは、新郎新婦のメインテーブルがあるくらいですね。アラブの人たちは時間にゆったりしていますので、夜にゆっくり集まって、メインテーブルの新郎新婦に自由に挨拶をして、写真を撮ったりします。テーブルの座席も基本的に決まっていないので、好きなテーブルに座ります。そのうち、プロのダンサーや楽団が出てきて踊り始めると、新郎新婦が踊り出します。そして、ゲストも踊って、会場に集まった人たちがみんな踊ってお祝いをしている。これが、私が体験したエジプトでのスタンダードな結婚披露宴でした。ですので、エジプト人のご両親は、日本の結婚披露宴の全てが新鮮でびっくりしていらっしゃいましたね。


② オンラインゲームで出会って、3回しか会っていない日韓カップルの結婚式!

 
━━━私が韓国の結婚式に行ったときに、親族や友人以外にも、いろんな人が来ていることに驚いたのですが、韓国の結婚式はそのようなスタイルが多いのでしょうか?

  • 金山:今でこそ招待状を送ることもあるみたいですけれど、昔から招待客を決めるというよりも、祝いたい人は誰でも来て大丈夫ですよ! という結婚披露宴が多いですね。食事もビュッフェスタイルで、席次表もありません。時間も日本の披露宴より長いですし、遅れて参加する人や、途中で帰ってしまう人もいて、自由な感じです。だから、弘中さんのお話を聞いていて、結婚式でゲストがずっと踊っていると聞いても、私は驚かないですね(笑)。自分が結婚披露宴をしたときも、最後はみんなで踊っていました(笑)。最近になって日本や欧米の影響を受けて、日本の結婚披露宴に近いウエディングも韓国では流行ってきているということを聞きます。

 
━━━日本でも韓国のウエディングに注目が集まっていて、特にここ数年、韓国のウエディング写真の撮り方がすごく素敵で写真を撮るために、韓国に行く日本人の新郎新婦も多いという話をよく聞くんですよね。

  • 金山:そうですね。韓国に結婚写真だけを撮りに行くというお話は私もよく聞きますね。その写真で素敵なムービーを作って披露宴で上映していますよ。

 
━━━ウエディングを通して日本と韓国の文化の交流になるというのは、すごく良いことかと思います。金山さんが、日本語と韓国語のバイリンガル司会として特に思い出深い結婚式は?

  • 金山:新郎が埼玉県に住んでいる韓国人で、新婦が青森にいる日本人のカップルを担当したときです。どうやって出会ったのかな? と思って、お二人に馴れ初めをお聞きしたら、なんとオンラインゲームで出会って親しくなって、結婚式までに3回しか会っていないというカップルでした。今でこそネット上での出会いも珍しくはありませんが、その当時は今ほどスマホも普及していなかったので、出会いがインターネットで実際に3回しか会っていないというのは驚きでした。ただ、お打ち合わせをしていく中で、お二人がオンラインゲームやインターネットでやりとりをする中で、趣味や価値観など共通点が見出せて、国や言葉を飛び越えて結婚に至ったんだろうなということが、とてもよくわかったんですよね。すごく似ている二人だな、こういう結婚もあるんだなと、今でも忘れられないくらい印象的なお二人でした。披露宴では入場曲や退場曲などに、ゲーム関連の音楽を使っていらっしゃいましたね。新郎のご家族からは、韓国らしい結婚披露宴をぜひ新婦のご家族にも見せてあげたいというリクエストがありましたので、やっぱりその披露宴でも踊りましたよ(笑)。普通は余興の人が民謡を歌い出して、その歌に合わせて踊るという感じなんですけれど、このときのご家族はシャイな方々で、ご友人の中にも歌う人がいなかったので、ご両親に頼まれて司会の私が歌いました(笑)。みなさんに私の民謡で踊っていただきました(笑)。


③ 日本的な結婚式がしたい! と来日した台湾夫婦の思いとは?

 
━━━馬場さんが、日本語と中国語のバイリンガル司会として特に思い出深い結婚式は?

  • 馬場:日本的な結婚式を挙げたいということで、台湾から来られたお二人ですね。ゲストも台湾からお二人の結婚式に出席するためにツアーのように日本に来日されるということでした。新郎新婦もゲストも全く日本語はできませんでした。日本的な結婚式ということは、和装にしたり、鏡開きをしたりするのかな? と思っていたら、そういった和の要素は一切なく、新婦はウエディングドレス、シャンパンで乾杯、お料理もフランス料理と、日本のスタンダードな結婚披露宴でした。そして、結婚披露宴がお開きになったときに、新郎新婦やゲストから「すごく日本的で秩序のある進行で良かったです」と言われたんですね。つまり、彼らがやりたかった日本的な結婚式とは、プログラムがしっかりと決まった日本の結婚披露宴だったんです。日本的というと「和」と思ってしまいますけど、彼らにとっては、秩序ある進行そのものが日本的な結婚式だったんだなと思ったことが、すごく印象に残りました。

 
━━━海外から見ると日本の結婚式の進行は、すごく厳かで美しくて感動的な印象があるようですよね。

  • 弘中:日本ならでの披露宴で海外の方が最も感激されるのは、新婦がご家族へのお手紙をお読みになって、新郎新婦から感謝の花束をご両親に渡すシーンですよね。たくさん食べて、みんなで踊ってという結婚式がスタンダードなアラビア語圏では、感動のシーンがある結婚式はあまりないので、みなさんとても感動されていますね。


④ 韓国式の嫁入りの儀式は盛り上がる!

 
━━━それぞれの国の結婚式の要素を、日本の披露宴に取り入れたことはありますか?

  • 金山:新婦が日本人、新郎が韓国人のカップルで、韓国式の嫁入りの儀式、ペベクをやりたいというご要望が新婦のほうからありました。この儀式のためにお色直しで民族衣装を着て、様々な道具を揃えるのですが、式場の人たちに相談しながら、ハウスウエディングの洋風の会場に、韓国の敷物を引いて、座布団や盃などの道具に栗とナツメまで揃えました。韓国の儀式なので、新郎のご親戚の方にも手伝っていただいてやりました。BGMも韓国古典音楽を私が提供しました。この儀式の最後は必ず新郎が新婦をおぶって会場を一周するのですが、すごく盛り上がりました。日本人の出席者も、こんなことをやるんだ! と興味津々でご覧になっていて、とても好評でしたよ。

 
━━━今、世界中の若い人たちの間で韓国ブームがとても熱いので、韓国式の結婚式をやってみたい! という方もこれからますます増えそうですよね。中国ならではの結婚式の儀式はどんなことがありますか?

  • 馬場:乾杯が続くことがありますよね。主賓挨拶のあとに、乾杯のご発声をする方がいらっしゃるにも関わらず、主賓の方がスピーチからそのまま乾杯のご発声をしてしまって、それが最初の乾杯となって、そのあともずっと乾杯が続くということはあります。司会者さんが乾杯をしてください! と言われて司会が乾杯の音頭をとったこともありますよ。中国は広いので、地方によって結婚式の風習や儀式も様々です。私が実際に司会をした儀式として、プレゼントセレモニーというのがあります。親族から、新郎新婦にその場でブレスレットやネックレスをつけてあげるというセレモニーです。1番目上の人から始めて、親族が並んで順番に贈るので、すごく時間がかかります(苦笑)。それから、日本の人が聞いたらびっくりするかもしれないですが、ゲストがキャンドルサービスでいたずらをするということもよくあるんですよ。


⑤ キャンドルサービスでいたずら!?

 
━━━どんないたずらをするんですか?

  • 馬場:新郎新婦に、簡単にキャンドルに火をつけさせないようにいたずらをします。キャンドルを隠してしまったり、点火したのに吹き消してしまったりします。新郎新婦に試練を与えて、それを乗り越えて火をつけていただくという、お二人へのお祝いの気持ちを込めたいたずらですね。

  • 金山:キャンドルサービスへのいたずらは韓国の結婚式でもありますよ! みんなで楽しく盛り上がります。

  • 弘中:みなさんのお話を聞いていて思ったんですけど、日本も中国も韓国も、お酒を飲んで楽しまれますが、アラビア語圏は、ほとんどの方がイスラム教なので、結婚披露宴でもお酒は基本的に一切飲みません。だから、ノンアルコールで、お酒が入っている他の国のみなさん以上に盛り上がっているアラビア語圏の人たちを見るとすごいな! と思います。紅茶でもノリノリです(笑)。

 
━━━バイリンガル司会だからこそ経験したハプニングはありますか?

  • 弘中:海外の人にとっては、進行内容がしっかり決まっている日本の結婚式が珍しく感じることが多いじゃないですか。日本で結婚披露宴に出席してみたら、スピーチや余興をする人がいる。そうするとその場で自分たちもやりたくなってしまう人が出てきて「私もやります! やらせてください!」というようなことはよくありますね(笑)。


⑥ 「おめでとう」を強調する千の言葉!

 
━━━韓国語、中国語、アラビア語で、結婚式で盛り上がる言葉や、縁起の良い言葉はありますか?

  • 金山:おめでとうは“축하합니다(チュカハムニダ)”。年配の方々の祝辞などで決まって言われるのは「両家のご両親を敬い大切に、子々孫々和やかな家庭を・・・」ですね。まだまだ昔の儒教の教えが根強いのでしょうね。

  • 馬場:中国語は四字熟語で定型文みたいになっている言葉が多くあります。“百年好合(バイニエンハオホー)”「100年好きでいてくださいね」とか“白头偕老(バイトウシエラオ)”「白髪になっても仲良く添い遂げてくださいね」といった言葉か決まり文句ですね。「おめでとう」の意味がある中国語の“恭喜(ゴンシー)”を聞いたことがある方もいるかもしれません。新郎新婦には“恭喜恭喜(ゴンシーゴンシー)”と2回繰り返して言うといいですよ。

  • 弘中:アラビア語で「おめでとう」は“مبروك(マブルーク)”というんですけど、「本当におめでとうございます!」と強調したいときに、頭に数字の1000を意味する“ ألف(アリフ)”をつけるんですね。つまり“ألف مبروك(アリフ マブルーク)”になります。もっともっとおめでとうと言いたいときは、この“ألف(アリフ)”を何回もつけることが可能で、“ألف ألف ألف مبروك(アリフアリフアリフ マブルーク!)”とか、果てしなくやろうと思えば1000回言ってもOKです。「ありがとう」の“شكرًا(シュクラン)”にもつけられますよ。ありがとうを強調したいときには、“ألف شكر(アリフ シュクル)!”と言ってあげるといいと思います。


⑦ 言葉の違いを越えて、安心が生まれることによって、一緒に笑うことができる!

 
━━━オフィスオリーブのバイリンガル司会は、「言葉のおもてなし」、「グッドコミュニケーション」を大切にしています。みなさんが考える「言葉のおもてなし」や「グッドコミュニケーション」とは? 

  • 弘中:「グッドコミュニケーション」のための一つのツールが言葉かと思います。例えば、たくさんの人の中に、少人数のエジプト人のゲストの方たちがいらしたら、その方たちはやはり不安だと思うんですよね。そこで、私が外国人ゲストの方々のお国の言葉を話すことによって、安心していただいています。それこそが、私たちバイリンガル司会者にとっての言葉でのおもてなしだと思います。

  • 金山:やはり言葉の違いによる不安を取り除いてあげることが1番ですよね。私たちは言葉がわかるだけではなく、結婚式のことや結婚披露宴の現場をよく知っているからこそ、わからないことには丁寧にご説明いたします。ご親族やゲストもですが、何よりも、新郎新婦が1番不安でいらっしゃるんですよね。例えば、「韓国から両親や親族が来日しますが、言葉がわからないのですが大丈夫ですか?」という不安をよく聞きます。新郎新婦が言葉の違いが不安になってしまって、結婚式が楽しめないことになってしまわないように「大丈夫ですよ! サポートしますよ!」とお伝えし、安心していただきます。そして当日は、ご両親の近くに行って通訳をしたり、お母様のお着替えの控え室まで付いて行ってご案内をして、安心していただいたこともあります。また、会場のスタッフも言葉の違いでご案内が通じなくなって不安になっていることもあります。ですので、バイリンガル司会者は、結婚式での言葉の違いの不安を全部背負って、それを全て解決するために動いています。私は、最初に新郎新婦にお会いしたときから「大丈夫ですよ、全部やりますよ」と言っています。おもてなしということで言うと、安心していただくということが1番かと思います。

    馬場:弘中さん、金山さんがおっしゃった通りで、まずは言葉で伝えて、みなさんに安心していただきます。この安心が生まれることによって、一緒に笑ったり、感動したりと、その場にいる全ての人たち、みんなで一緒に何かができる。そういう時間を司会者としてサポートしていくことが、バイリンガル司会者ならではの言葉がわかるからこそできることではないかと思います。状況を説明して、進行や挨拶を通訳するだけじゃなくて、言葉のわからないゲストに話しかけたりすることで、少しずつ言葉の垣根を超えて、ご両家がスムーズなコミュニケーションができたりすることで、今後も安心してコミュニケーションが取れていけるような一つのきっかけを作ってさしあげることができたときは、良かったなと思いますね。

 
━━━日本は中国や韓国の方と結婚する方も多いですし、最近ではインスタグラムなどのSNSで、日韓カップルというハッシュタグも流行っています。これからのバイリンガル司会として、今後をどのように捉えていますか? 

  • 金山:韓国の人たちは心から家族を大切にする民族です。新型コロナウイルスのパンデミックで、ご家族が日本に来日できないということで、結婚式の延期や中止が続いて、私はコロナ禍で韓国語で司会をする機会がほとんどありませんでした。ですので、とにかく早く自由に日本と韓国の行き来ができることが1番ですよね。日本と韓国にゆかりのある方が、何も不安なく安心して過ごせるウエディングができることを願っています。そのときに安心して任せられる、日本語と韓国語の司会者として、お役に立ちたいと思っています。

  • 馬場:コロナ禍になってから、中国のご家族は中国のホテルに集まって、日本の会場にオンラインで出席するということが増えました。これはもうこれからの新しいウエディングの形として定着すると思います。中国の方々はおしゃべりが大好きなので、中国の会場では50人くらい集まって楽しく盛り上がっていたので、こちらから、「みなさん! 日本の会場にいる新郎新婦と写真を撮りますよ!」と、細かく呼びかけないと気づいてもらえないといったこともありましたが(苦笑)、日本の会場とオンラインで繋がっている人たちが一緒に結婚披露宴を楽しんでいただけるように、司会としてこれからも様々な言葉の工夫を取り入れて、より良い時間を作り上げていきたいです。

  • 弘中:とにかく今、私が願うのは、疫病も戦争もない、平和な世界でのウエディングですよね。様々な形でみんなで集まって、祝福で盛り上がる温度感を感じながらの結婚式での司会をこれからもしていきたいですね。


⑧ 国際結婚ならではの結婚披露宴を作り上げていきます!

 
━━━最後にご自身のPRメッセージをお願いします。

  • 金山:日本語と韓国語のバイリンガル司会として、長いキャリアの中で様々な経験をしてきました。その経験を活かして、不安を取り除いて、安心していただけるような言葉でのサポートやフォローをして参ります。韓国の結婚式のようなことがしてみたいというリクエストにもお応えできますので、大丈夫ですよ。伝統的なことはもちろん、新しいものも取り入れながら、国際結婚ならではの結婚披露宴を作り上げていけるように、新郎新婦のお二人と一緒になってその日まで寄り添っていきます。全ての方が素敵な思い出を作れるようにお手伝いさせていただきます。

  • 한국과 일본 두나라 국경 넘어 맺어진 두사람이 아무 걱정도 불안도 없이 인생의 새출발의 날을 빛내일수 있게 성심성의 도와 드리겠습니다.
    전통식도 일본식도 새형식도 무엇이든 다 맏겨 주십시오!

     
  • 馬場:日本語と中国語ができる司会者の方もたくさんいらっしゃると思いますが、私は言葉だけでなく、中国の方々の考え方や文化などもよく知っています。お二人の特別な結婚式の全てにおいて、一緒に考えたり、サポートできる力があると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

  • 恭喜您们喜结良缘,幸福美满。我非常期待和您们见面!

     
  • 弘中:私の売りは何事にも柔軟に対応できるところです。万が一何かあった場合にも、一瞬にして肝が据わるタイプなので、安心してお任せください!

    مبروك جوازكم،
    فلنصنع ذكرى لا تنسى بفرح ياباني مدهش،
    و دعوني أكون جزء منه.

バイリンガル司会 座談会 第1弾
大橋都希子(英語、スペイン語)
曽根田あきひろ(英語)
中野早苗(英語)

コロナ禍により結婚式も会場とインターネットのハイブリッドな演出が広がり、海外からオンラインでの出席も増え、外国語司会者の需要が高まってきています。
今回は、英語、スペイン語が話せるバイリンガル司会者が、海外ならではのウエディングパーティーの魅力と共に外国語でのおもてなしについて語り合いました。


司会者プロフィール

女性司会者・バイリンガル司会者【英語・スペイン語】 大橋 都希子

大橋 都希子

元民放局アナウンサー。
青年海外協力隊員としてホンジュラス共和国のラジオホンジュラスで活動。
帰国後フリーアナウンサーとして、FMパーソナリティ、経済番組、医療番組を担当。
式典、シンポジウム、イベントなどの司会多数。
 
会場の雰囲気、ゲストの皆様の雰囲気に合わせたトークを心がけています。

 

男性司会者 曽根田あきひろ

曽根田 あきひろ

英語関連セミナー、企業研修での豊富な講師経験を経て司会の世界へ。
サバイバル接客英語セミナー、外国人への日本語指導などの実績も持ち日英バイリンガル司会も対応可能です。
 
サッカーとロック音楽が大好きです。 きめ細やかに、そして力強く、皆様の大切な一日をサポートさせて頂きます。英語対応も可能です。

 

女性司会者・バイリンガル司会者【英語・スペイン語】 中野 早苗

中野 早苗

結婚式司会、イベント及び式典司会・ナレーター経験豊富。
 
国際結婚披露宴の進行もお任せください。
来賓のご挨拶や新婦のお手紙など、ご披露頂くものを翻訳し、演者との掛け合いで会場を盛り上げます。


①正確に伝えるということを心がけています!

 
━━━外国語を身につけたきっかけは?

  • 大橋都希子(以下、大橋):青年海外協力隊に合格して、3ヶ月間、朝から晩までスペイン語の研修を受けて、その後、派遣国のホンジュラスで学びました。出発前は、英語もそんなに話せなかったんですけれど、ホンジュラスで半年間毎日、仕事が終わってから英会話学校へ通って、英語も覚えました。ホンジュラスの人たちとスペイン語で英語を習ったという経験は、とてもおもしろかったですね。

  • 曽根田あきひろ(以下、曽根田):学生時代から英語の勉強が好きで、僕の英語は日本で身につけました。カナダ人に1年ほど個人レッスンを受けたこともありますが、ほとんど独学で覚えました。

  • 中野早苗(以下、中野):私も曽根田さんと同じですね。大学卒業後イギリスとアメリカには行きましたがそんなに長くはなく、ほとんど日本で身につけました。実は日本人は中学と高校で学んだ英語のアウトプットをたくさん心掛けることによって、留学しなくても英語のスキルは伸ばせるのです。

 
━━━バイリンガル司会者として最も大切にしていることは?

  • 中野:日本語と英語の両方で司会をしていくので、言葉が長くならないように簡潔に正確に言うことですね。

  • 曽根田:二つの言語を使うとどうしても長くなってしまうんですよね。そこで、言葉がわからなくても見ていてわかるシーンでは言葉を言わずに、お客様が「こんなことをやっているのかな?」と思われるタイミングで、司会としてコメントを入れるとスムーズに進行できますね。

  • 中野:英語だったら主語と動詞で大体通じますので、できるだけ修飾語を省いて進行しています。もちろん、その英語に合わせて日本語も短く簡潔にして、正確に伝えるということを心がけています。


②コミュニケーションのお手伝いをすることもバイリンガル司会者が役立てること!

 
━━━大橋さんは日本語、英語、スペイン語と三つの言葉で司会をされることもありますよね?

  • 大橋:はい。全てを三つの言語で訳していると、進行が間伸びしてしまうので、本当に必要なことだけを入れていく感じで司会をしています。私がバイリンガル司会として大切にしていることの一つとしてなるべく時間を見つけて、ご親族やゲストの皆様にリラックスして過ごしていただくために、雑談をしに行っています。その際に何かご要望があったときにはプランナーやスタッフに伝えることができますし、進行の中の短いスペイン語では伝え切れないことがあった場合もフォローをすることができます。

  • 曽根田:僕もスモールトーク(雑談)はバイリンガル司会として大事だなと思います。例えば、新郎新婦のご両家が、日本人のご家族とアメリカ人のご家族だったときに、日本人の親御様が英語に緊張してしまって、ご家族同士の会話が一切無かったときがあったんですね。そのときに、僕が間に入って会話をしたところ、すごく良い雰囲気になったことがありました。それまで全く会話をしていなかったのに、一緒に写真を撮って笑顔のお時間を過ごされていました。こういったコミュニケーションのお手伝いをすることもバイリンガル司会者が役立てることですよね。

  • 中野:私も日英の言葉のやり取りのために会場を回ります。

  • 曽根田:話しかけることによって雰囲気が変わりますよね。海外の人は楽しむことが上手だなと思います。日本人は厳かな結婚式や披露宴で緊張して静かにされていらっしゃる人が多い印象があります。

  • 中野:海外の方達はパーティーにとても慣れていらっしゃいますよね。

  • 曽根田:日本人だけの披露宴とは最初から雰囲気が違いますね。

  • 大橋:スペイン語で司会をするときは、必ずダンスタイムがありました。そのときに、新郎新婦が「日本人のゲストが踊ってくれるだろうか?」と心配されます。そこで私は、司会として積極的に「みなさん! 踊りましょうよ!」とアナウンスを入れていきます。日本語では落ち着いたトーンで司会をすることが多いですが、ダンスタイムはまるでディスコのように盛り上がるので、その雰囲気に合わせて私も司会を変えていきますね。何より自分も楽しくなってくるので、自然と明るくてノリのいい司会になっていきます。

  • 中野:日本語と英語では声の表現は変わってきますね。言語によって人は変わりますよね。

  • 曽根田:変わりますね。やはり英語は元気がいいですよ! “Hello!”というだけでもノリは変わりますから。

  • 中野:発音の違いもありますね。英語は喉から音を出すので、声も下がるんですよ。私は日本語のときには少し高音になるんですけれど、英語だと低音になって、日本語とは一味違うクール系の元気な声が出ます。


③ファーストダンスはすごく素敵!

 
━━━バイリンガル司会というと、ゲストに日本語がわからない方がいらっしゃる場合にお願いするというイメージでいましたが、全て日本人の結婚式だとしても、バイリンガル司会がシーンによって英語で盛り上げていくというのも素敵な結婚式になりそうですね。

  • 曽根田:僕の場合は、列席者が全て日本人の披露宴でも、盛り上げるシーンは英語でお願いしますというリクエストをいただくこともあります。例えば「新郎新婦のご入場です」のシーンは“Hello Everyone! Let’s welcome our lovely couple!”とアナウンスしています。入場の場面を英語で言うだけでも、ガラッと雰囲気は変わりますよ。

 
━━━曽根田さんにとってバイリンガル司会として特に思い出深い結婚式は?

  • 曽根田:バイリンガル司会での披露宴では多くの新郎新婦がファーストダンス(※夫婦となった二人が初めて踊るお披露目のダンス)を取り入れます。ファーストダンスはすごく素敵ですね。スローな曲で照明を少し落としてムーディーな感じで踊る新郎新婦のお姿は、とてもロマンティックです。

    中野:ファーストダンスは本当に素敵ですよね。映画『美女と野獣』の主題歌で踊られた新郎新婦がいらっしゃって、ゲストのみなさんが感動されていたことがあります。外国人の方のウエディングでは、日本の文化を大事にして、できるだけトラディショナルにやりたいという思いがある方もいらっしゃって、まずは和装でご入場されて、お色直しでドレスとタキシードにお召し変えになられてから、フロアでファーストダンスということもよくあります。中には和装の際に「刀を持って出たい!」という方もいらっしゃいましたよ。


④呼びたい人を全て招待することができる!

 
━━━中野さんにとってバイリンガル司会として特に思い出深い結婚式は?

  • 中野:コロナ禍に入ってからのウエディングで、Zoomウエディングの司会をしました。アメリカ、イギリス、シンガポール、タイ、香港、イタリアといった、10カ国くらいから100人程のゲストがオンラインで参列され、結婚式の会場には、新郎新婦と親族、そして私は会場にいて、私は司会として会場とZoomでの列席者を結ぶ役目を担いました。この経験を通じてオンラインは、国際的な結婚式には向いているなと思いました。例えば外国人の新郎のお祖父様お祖母様が、海外から会場にいらっしゃるのが大変だったり、リアルな会場での披露宴だとしたら、様々な事情でゲストの数を厳選しなければいけないこともありますが、Zoomでの招待ですと人数の制限もなく呼びたい人を全て招待することができるんですよ。私が経験したZoomウエディングでは、昨日出産したばかりという赤ちゃんを抱いて、病院から中継でオンライン出席されたアメリカ人のカップルゲストもいらっしゃいました。ご自身の国の衣装に着替えているゲストなど画面も華やかで、お食事もそれぞれのお家で用意していただいて、「どんなものをお召し上がりですか?」と呼びかけると、アメリカだったら「ピッツア!」と見せてくださったり、それぞれの国の文化や様子が見られるのもおもしろかったですね。90代のお祖母様もご自身の国から参加できたことも良かったですよね。本当にすごく素敵なウエディングパーティーでした。

 
━━━世界中からゲストが参加するとなると、まさに共通言語として英語での司会が必要になりますね。

  • 中野:コロナ禍が新たに開いたバイリンガル司会の形を経験する機会でした。“Can you set up?”とか“We’ll turn off the microphone on our side.”といった、これまでバイリンガル司会では使っていなかった新たなフレーズが出て、司会者としての幅が広がったなと思いました。新郎新婦も「コロナ禍で結婚式はできないと思っていたけれど、Zoomウエディングをやって良かったし、友達全員が呼べたこともとても良かったです!」と話していらっしゃいましたね。そして、その日の模様が教会での挙式からウエディングパーティーまで全てYouTubeにアップされました。そのときの動画を誰もがいつでも見られるというのも、今のウエディングならではの良さだなと思いました。

 
━━━大橋さんにとってバイリンガル司会として特に思い出深い結婚式は?

  • 大橋:私は日本語と英語とスペイン語で人前結婚式の司会をしたときですね。新郎新婦は英語でやりとりをしている日本人の新婦と中南米出身の新郎。お友達は英語をしゃべれる人がほとんどだったんですけど、日本語しかわからない人もいましたし、新郎の親御様はスペイン語しかわからない。新郎新婦は、結婚式で言語の違いで誰も取り残したくないとおっしゃっていて。さらに、どうしても母国語での進行の中、列席者の前で誓いを立てたいという強いご希望がありました。人前式のとき、私はキリスト教の結婚式の牧師さんみたいに、お二人の前にいました。そのときに誓いの言葉を言う新郎新婦の眼差しの強さをとてもよく覚えています。結婚の誓いを立てるということがいかにすごいことなのかということを、お二人の目の輝きから感じた瞬間でした。


  •  

  • 中野:そういえば、乾杯が何回も続いたときにはびっくりしましたね。

  • 大橋:どういうことですか?

  • 中野:日本の披露宴ですと乾杯は1回だけですが、欧米などでは、乾杯はパーティーの間に何回やってもいい場合があります。例えば、複数のゲストがフォークなどでそれぞれのグラスをチンチンと鳴らして、ブリーフスピーチという短いスピーチの後、乾杯をして祝います。そういった乾杯をその場でやらせて欲しいと言われる方が多いのですが、誰かがやり出すと止まらなくなっちゃうことがあります(笑)。

  • 曽根田:僕は新郎の結びのご挨拶で、新郎が何をしゃべるか全く考えてこなかったということにびっくりしましたね。おおらかな“easy going”な感じが海外のウエディングパーティーらしいなと思いながらも、大丈夫かな? と見守っていたら、新郎がその時に感じられていた思いを素直な言葉で話されていて、とても感動的なシーンになっていました。


⑤“lovely couple”と言うと盛り上がる!

 
━━━日本語にはない外国語のブライダルの言葉で「これは素敵な言葉!」と思うフレーズはありますか?

  • 曽根田:海外の方のスピーチで“I’m thrilled to be part of this wonderful celebration.”とお話しされる方がいらっしゃいました。日本語にすると「私はこのパーティーの一部になれて感激している」という言葉ですね。僕はこの言葉がすごく好きなんです。ゲストが「自分が今日のウエディングパーティーの一部であることがとても幸せで光栄なことです」という要素を日本語のスピーチの中にも取り入れてもいいんじゃないかなと思います。

  • 中野:“a part of”ですね。

  • 曽根田:そうですね。“I’m lucky”とか“I’m happy”とか。“I’m part of this moment.”という表現は、日本語にはない英語の良い表現だと思います。みんなで作り上げていくという気持ちが言葉で表現されるのは素敵ですよね。

 
━━━外国語の司会での決め言葉はありますか?

  • 中野:新郎新婦のプロフィール紹介のときに、「プロフィールをご紹介させていただきます」という日本語をそのまま英語で訳してしまうとつまらないんですね。そこで、私の場合は“Let me pass on to you their personal histories I interviewed”“Their histories”というふうにフレーズを作ってみました。プロフィールをprofileと英語に訳してしまうと、その人が歩んできた軌跡という意味とは違ってきちゃうんですよ。新郎新婦が今日に至るまでの歩みを紹介することを英語として訳すとしたら、“history”にした方がいいですね。

  • 曽根田:そうですね、僕も“history”を使っています。僕は“our lovely couple”が決め言葉ですね。“lovely”という言葉は響きがすごく可愛らしいですよね。司会としてこの言葉を言っていてもすごく気持ち良いんですよ。僕自身にスイッチが入る(笑)。“lovely”という言葉は新郎新婦にも好評ですし、ゲストのみなさんも盛り上がるという手応えがあります。


⑥ありがとう」と「おめでとう」をいろんな国の言葉で言ってみよう!

 
━━━日本人同士の披露宴でも「英語のこんなフレーズを入れると盛り上がりますよ!」というおすすめの言葉はありますか?

  • 中野:「おめでとう」という意味の“Congratulations!”はかなり盛り上がると思いますよ。

    曽根田:そうですね。一語ですし、覚えやすいし、使いやすいですよね。
    中野:「おめでとうございます! Congratulations!」と2回繰り返すと盛り上がりますね。

  • 曽根田:日本語の中に“Thank you”が入ってもいいと思いますよ。

  • 大橋:スペイン語だと“Congratulations!”は“Felicitaciones”(フェリシタシオネス)。“Thank you”は“Gracias”(グラシアス)ですね。スペイン語は響きがいいですし、スペイン語の母音は日本語の発音に近いので、スペイン語をカタカナで読んでも割と通じますよ!

  • 中野:「ありがとう」と「おめでとう」の言葉はいろんな国の言語で言っても素敵かもしれないですね。

  • 曽根田:場面が変わるときや、ゲストのみなさんの注目を集めるときに英語を使ってみてもおもしろいと思いますよ。

  • 中野:“Now”と入れると、一気に注目が集まりますね。日本語の「さて」という空気になります。

  • 大橋:“Now”はスペイン語だと“ahora”(アオーラ)になります。スペイン語では“Atención, por favor!”(アテンシオン、ポルファボール)というとみなさん注目してくれますね。


⑦日本の「おもてなし」は世界に誇れる感性!

 
━━━オフィスオリーブのバイリンガル司会は、「言葉のおもてなし」、「グッドコミュニケーション」を大切にしています。みなさんが考える「言葉のおもてなし」や「グッドコミュニケーション」とは?
 

  • 中野:日本の「おもてなし」は世界に誇れる感性だと思うんですね。私は司会者としてこの一期一会の場所を任されているんだと言う誇りを持って、自分らしいおもてなしをしていこうと心掛けています。海外の方たちは「日本の結婚式は素晴らしい!」と感動されます。セレモニーとしてのきちんとした進行の中で、スタッフが全員美しい動きをする。そして、誰か一人が目立って動くのではなく、みんなが協力しあって盛り上げようとする日本ならではの結婚式の素晴らしさ。それがあれば、おもてなしの心は伝えられる、私はそう思います。「グッドコミュニケーション」に関しては、海外の方達の感覚に合わせてやっていくことが大事だなと思います。例えば、海外の方はスピーチの原稿などをギリギリに送ってくることが多いです。そこで、私も臆することなくどんどんメールを送ったり、電話もして、確認をし忘れることがないように、お互いに言いたいことは言って、Yes、Noをはっきりさせるということを大事にしています。きちんと言葉にして伝えて、希望もちゃんと言っていただく。そういうことがバイリンガル司会における「グッドコミュニケーション」だと思っています。

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    大橋:私もやりたいことと心配になっていること、気になっていることを必ず聞きます。これは日本人の新郎新婦のときも当たり前のことですが、司会が心配な要素を取り除いてあげたりすることはとても大切なことです。このコミュニケーションは特にバイリンガル司会のときは重要な役割だと思います。

  • 曽根田:バイリンガルでのコミュニケーションは、どこまでがんばれるかだと感じるんですよね。どこまで自分が時間とエネルギーを注いでがんばれるか。例えば、英語でお話しになるお父様のご挨拶を事前にいただいて訳していく作業も、翻訳したことでものすごく長いテキストになることがあります。けれども、お父様はご挨拶にものすごく熱い思いを込めている。そうすると、バイリンガル司会者として訳すときに、その思いを伝えるために、言葉一つ選ぶ際にもどこまでがんばれるかということが大事です。結果として長い翻訳になってしまったとしても「Mr.曽根田が作ってくれたこの内容がすごく気に入ったし、このままでいいよ」と言っていただけたときには嬉しいですよね。日本語と英語の両方で司会をする際には、言葉の違いを超えて限界までコミュニケーションを取るということがすごく大切だと常に感じています。


⑧時代に合わせて柔軟に変化していく!

 
━━━先ほどZoomによる世界中のゲストが参加してのオンライン結婚式のお話しがありましたが、コロナ禍を経ての結婚式の変化。そして、ますます国際化していく時代で、バイリンガル司会の需要はさらに高まると思います。これからのバイリンガル司会として、今後をどのように捉えていますか?

  • 中野:結婚式の会場に参加できる方は会場に行く、会場に来られない方はZoomなどを使って出席するというウエディングのあり方はコロナ禍となって私たちが得た知恵で、これは今後も活かしていく結婚式になっていくと思います。時代に合わせて柔軟に変化していくことが大切だと思います。

    大橋:このコロナ禍で日本と海外で離れ離れになってしまったカップルもたくさんいらっしゃると思います。だから、コロナが落ち着いて、結婚式を開くことを待っていらっしゃるみなさんが結婚されるときに、楽しいパーティーにしたいなって思いますね。私は中南米に住んでいたときにパーティーにも何回か出席したことがあって、海外のパーティーがとても楽しかったんですよね。やっぱり雰囲気作りが上手くて、自然に楽しく盛り上がることができるんです。だからそのときのことを思い出して、司会者として、日本のみなさんにもラテンアメリカの楽しいパーティーを味わっていただきたいですし、その良さを紹介していきたいですね。

 
━━━最後にご自身のPRメッセージをお願いします。

  • 中野:私は会場中の誰もが聞き逃しがないように、どちらの方達も楽しめるような日本語と英語での進行を心がけています。当日までコミュニケーションを取り合い、お二人に寄り添って、楽しく素敵なウェディングを一緒にお作りして参ります。

    I’m Sanae Nakano , moderate your wedding ceremony and party in English and Japanese. I will keep in touch not only with the bride and the groom, but also with your guests who have some speeches for example, and do my best to ensure that everyone youeselves on your special occasion.

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    曽根田:日本の結婚式の伝統的な進行の良さはすごくあると思います。それを軸にしつつ、ファーストダンスといった海外の方が楽しむ要素を入れていくと、新しいスタイルのウエディングになっていくと思うんですね。そのお二人だからこその本当にオリジナルのウエディングパーティーにしていくお手伝いができたら嬉しいです。そして、スピーチ原稿の翻訳は誠心誠意がんばりますので、安心して僕にお任せください。

  • Congratulations on your wedding! I’ll be happy to be the MC for your celebration day. I can help you with any kinds of speeches in both Japanese and English, which I believe will make your wedding party happier and more memorable. See you there!

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    大橋:日本の披露宴の美しさにすごく感動してくださったラテンアメリカの新婦がいらっしゃいました。お打ち合わせのときから、「どんな披露宴にしたいですか?」とお聞きしたら、「プリンセスみたいになりたい!」と仰っていたんですよね。お開きになったあとに、「どうでしたか?」と聞いたら「とてもビューティフルだった」って言ってくださって。ですから、私は日本の結婚式の良さも紹介したいです。厳かで美しい日本の結婚式と、楽しくてハッピーなラテンアメリカのウエディングパーティーの両方で、バイリンガル司会者として、日本と海外の文化の交流も担っていけたらと思います。

  • La ceremonia de la boda japonesa es más tradicional. La ceremonia de la boda americana es más expresiva. Me gustaría presentarles a todos el encanto de ambas seremonias. Quisiera que el matrimonio sea un lugar para intercambio cultural.


新しい時代のブライダル司会者 座談会
~夢を叶えるお手伝い~

新型コロナウイルスの影響で今の結婚式はどうなっているのだろう?
結婚式を挙げたいけど新型コロナウイルスの影響が心配。
そんなお二人に、オフィスオリーブの司会者がコロナ禍の結婚式での体験談を語ります!


司会者プロフィール

女性司会者 北條 もとこ

北條 もとこ

婚礼司会約2000組。
元民放局アナウンサー、鎌倉FMパーソナリティ。
婚活セミナー講師、コミュニケーションセミナー講師、他、式典・イベントMC多数。
 
聞きやすく、癒し系の声で、会場をやさしく、あたたかく包み込みます。
経験を活かした柔軟な対応力は、まかせて安心!
どんなシーンもお二人らしさを大切にしています。

 

女性司会者 武村 貴世子

武村 貴世子

ラジオ番組のDJだけでなく、イベント・婚礼司会、ナレーション、ライターとしても活動。
映画「ONE PIECE]「ターザン」舞台挨拶、「崖の上のポニョ」ミニコンサートなどアニメ、声優関係の仕事も多数。声優スクールの講師も務めるなど幅広く活躍中。
FM FUJI 「Night Walkers」、FM横浜「MORNING STEPS FRIDAY」、FM愛媛「Next BREAKERS」、HMV原宿でのライヴDJ、練馬放送「Voice of Heart」レギュラー、JBL(男子プロバスケットボールリーグ)実況   など。
 
ラジオDJという仕事の経験を生かして、人の心に届く言葉を常に心掛け、元気と笑顔を伝えています。
あんなことしたい!こんなことしたい!と、お二人のアイデアを聞きながら、楽しいパーティを企画することが得意です。
笑顔の多い時間を過ごして頂けるよう全力で頑張ります。

 

女性司会者 菊地 由希子

北原 香

イベントMCから司会の道へ
イベントMC、セミナー司会経験多数
 
幸せなお二人とご縁を頂いた事に感謝しお二人だけではなくゲストの皆様にも
感動・喜び・楽しさを感じて貰えるような最高の日を、笑顔と真心をもって務めさせて頂きます。


① 結婚式が中止や延期になったとき、ブライダル司会者はどう思っていたの?

 
━━━2019年に発生した新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの影響で、2020年3月には、結婚式が一気に中止や延期となりました。あのときどんなことを考えていましたか?

  • 北條もとこ(以下、北條):何が起きているかわからないという状況でした。これまで経験したことがないことだから、誰もわからない。現場も手探りでこの状況をどうしていけばいいのだろうという雰囲気だったと思います。

  • 武村貴世子(以下、武村):ブライダルの現場だけでなく、世界中に、これから一体どうなっていくのだろうと、全く想像のつかない恐怖や不安が渦巻いていたのは事実だと思います。

 
━━━北原さんは、当時まだ研修を受けていたんですよね。

  • 北原香(以下、北原):そうなんです。私が研修を受けていた時期は、コロナ前の披露宴を想定して司会者としてのレッスンを受けていました。ところが、まるで想定していなかった状況になってしまいました。北條さんや武村さんのように、長く司会者として経験をされている方ですら、これまでにない事態と向き合って困惑している様子を見ていて、経験の少ない私で務まるのかと不安でいっぱいでした。

 
━━━そして、2020年6月頃から、結婚式を再開する会場も出てきました。いつごろから、現場に戻られましたか?

  • 武村:6月から7月くらいに、各会場から新型コロナウイルス対策のマニュアルができてきて、結婚式が再開されてきた感じがありましたね。

  • 北條:未曾有の事態となっていたので、直前まで開催できるのだろうか? という不安がすごくありました。会場もまだまだ手探りの状況でしたので、スタッフと何回も確認を重ねて司会をしました。とにかく新郎新婦のために何とか力になりたい、その一心だったことを覚えています。


② マスクを付けての司会は大変?

 
━━━マスクを付けての司会は大変ではないですか?

  • 北條:慣れていないので最初は戸惑いがありましたが、マスクがあろうがなかろうが、どんなときでもきちんとした発声や滑舌の司会ができるように、練習と経験を積んできていますので、マスクを付けていても全く問題はありません。

  • 武村:「マスクをしていると司会がやりづらいんじゃないですか?」とか「マスクをしていてもちゃんと声は届くのですか?」とよく言われるのですが、私たちプロの司会者は、マスクをしたくらいで届かない声なんてことはありえないので、マスクをしていても全く問題なく司会ができていますよね。

    北條:「マスクをしているとしゃべりづらい。マスクをしていると声が届かない」という司会者はプロじゃないと思います。

    一同:(笑)。

  • 武村:そのとおりですね。

    北原:マスクを付けての司会はもう慣れましたよね。今は様々な種類のマスクが出ているので、息がしやすくて、内側が滑らかなマスクをして会場に行っています。

  • 武村:私はKF94のマスクが1番司会がしやすいなと思って、このマスクを愛用しています。

  • 北條:そういえば、マスクを付けての司会だと思っていたら、司会台の前にアクリル板が置いてある会場では、「司会台にいるときはマスクを外していいですよ」って言われて、「どうしよう! 口紅を付けてくるのを忘れちゃった!」というのがありましたね(苦笑)。

  • 一同:(笑)。

  • 北原:コロナ禍の司会あるあるですよね(笑)。

  • 北條:普段もマスクを付けて生活をしていたので、口紅を持ち歩かなくなってしまっていて。慌てて、色付きのリップを買いに、コンビニに走りました(笑)。

  • 武村:私もそういうことが何度かあったので、いざというときのために、ペンケースに色付きのリップを入れています(笑)。

  • 武村:コロナ前でしたら、司会をするときは、口紅はもちろん、しっかりメイクをするのが当たり前でしたが、コロナ禍でマスクをするようになって、口紅をしないで司会をするときがくるとは想像もしていませんでした。


③ with コロナ時代の結婚式。どんな変化があるの?

 
━━━新型コロナウイルスの感染症予防対策ができてからの結婚式ではどんな変化がありましたか?

  • 武村:例えば、ウエディングケーキ入刀のときは、今まではゲストのみなさまをケーキの前にご案内していました。ところが新型コロナウイルス感染症予防対策のため、密にならないように「集める」ということができなくなったので、どうしようかな? と悩みましたね。当たり前のように使っていた言葉が言えなくなりましたよね。

  • 北條:司会者としてコメントをしてきた言葉を、コロナ禍に合わせて、自分の中で新たに作り出していく必要がありました。緊急事態宣言が発令されていたときは、結婚披露宴には欠かせないアルコールの提供もできなくなりました。乾杯の場面でこれまでは「みなさま、乾杯ですので、乾杯酒のグラスをお持ちください」と言っていましたが、お酒が出せないので「乾杯酒」ではないんだなと考えて。アルコールの提供ができない期間は「グラスをお持ちください」と言い換えていました。ウエディングケーキ入刀のシーンでも、新型コロナウイルス感染症予防対策のガイドラインに「お席からお撮りください」という会場もありますので、ウエディングケーキの前に誰もお進みいただけないのは、寂しいなと思う時はありますね。

  • 武村:コメントはどんなふうに変えましたか?

  • 北條:「お席からでもケーキはしっかり見えますのでご安心ください」というコメントを入れたりしていますね。

  • 武村:いいですね。ゲストのみなさんに安心してお楽しみいただけるコメントは大事ですよね。

  • 北條:私はよく「新郎新婦におめでとうと言いながら、手をふってみてくださいね」というコメントを言っていたんですけれど、コロナ禍ではそれが言えなくなってしまいました。

  • 武村:私も人前式の司会で、フラワーシャワーのときに「大きな声でおめでとうの言葉と共に、花びらで高らかにお二人を祝福していただきたいと思います」というコメントが言えないときに、どうしようかな? と思いました。

  • 北條:乾杯やケーキ入刀など、コロナ禍の前には当たり前のように使っていた言葉があるシーンで、どう言葉を変えていくかというのが課題でしたよね。乾杯のあとには続けて「それでは、メインテーブルでお写真をどうぞ!」と言えていたコメントも、一時期は言えなくなっていた。今はマスク着用のご協力で新郎新婦のメインテーブルで一緒に写真を撮ることはだいぶできるようになってきましたね。

  • 武村:中座のときに、新婦をエスコートをしていただけるご家族やご友人の方と、これまでだったら「お手を繋いで仲良くお進みください」と言えていたことも、接触がNGだったので、手を繋ぐことができないときもあったので、「笑顔で仲良くお進みください」と言い換えたりして、幸せな雰囲気を保ちながら、感染症予防対策を踏まえてのコメントをいくつも考えました。


④ 新郎新婦からどんなことを聞かれているの?

 
━━━コロナ禍で新郎新婦からどんな質問がありますか?

  • 北條:お打ち合わせで新郎新婦からは新型コロナウイルス予防対策についてはよく聞かれます。「私たちもマスクをするんでしょうか?」という質問に、「新郎新婦はマスクを付けないですよ」とお答えしたりしていました。会場によっては送賓の際には新郎新婦もマスク着用の場合があります。そのときには、例えばお二人が並んだ時に、マスクに「夫」「妻」と書いてあったり。数字の「3」と「9」がマスクに書いてあって、新郎新婦が並ぶと「サンキュー」になるとか。マスクを付けるということを、ポジティブで楽しい演出に変えてしまうという新郎新婦もいらっしゃいます。

  • 武村:それは良いアイディアですね! 

  • 北條:会場には新型コロナウイルス感染症予防対策があって、それを守っていくことは大前提ですが、私たち司会者が大事に考えていかないといけないのは、新郎新婦の気持ちです。とても心配をされているお二人から、お打ち合わせのときに「お酌はダメと司会者さんから言っていただけるんですよね」とか「親も挨拶をしたいと言っているのですが、司会者さんからマスクをしてくださいと言っていただけますか」と言ったご要望があるときには、司会者として丁寧にお二人が安心できるように、結婚式当日までケアをしていく必要があると思います。そのためには会場のプランナーさんから「新郎新婦のご様子はいかがですか? どんな人たちですか?」といったお二人を知るために自分から新郎新婦の様子を聞くようにしています。新郎新婦をよく知ることによって、コロナ禍での不安な中での結婚式で、お二人の気持ちに寄り添うことができますし、それは司会者としてとても大切なことだと思います。

  • 武村:「こんなご時世だから、せめて僕たちの結婚披露宴は明るい気持ちで過ごして欲しいからなるべくコロナ対策についてはアナウンスはしないでいて欲しいです」という新郎新婦もいらっしゃいました。司会者は表に出て当日の司会をするだけではなく、当日に至るまでに、いかに新郎新婦がどういう結婚式にしたいかという思いに寄り添えるかがとても大事です。もちろんこれまでもそうだったのですが、コロナ禍での結婚披露宴を体験することで、お二人の不安をいかに解消できるか、いかにお二人の理想の結婚式を、厳しい状況の中でも実現できるかということを強く意識しながら司会として考える日々です。

  • 北條:「マスクの着用をお願いします」「お客さま同士のお酌はご遠慮ください」といったお願いやご協力のアナウンスをしていたら、あるときふと「私、お願いばかりしているな」と思いました。最近は、感染症予防対策もみなさま慣れていらっしゃいます。例えば、送賓のときには、「このあとお見送りになりますが、マスクの着用をお願いします」と言っているときには、すでにみなさまはマスクをしている。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まったときと今では、状況も変化している。その現場の変化を、お打ち合わせのときにも話せるようになりましたね。「マスクの対策などはアナウンスいたしますが、みなさまもうお分かりになっていらっしゃるので、そういうときは、さらりとご案内しますね」と、お打ち合わせの時に新郎新婦にお話ししています。コロナ禍の結婚式のお打ち合わせのときに新郎新婦からよく聞かれるのは、「みなさん、どうですか?」ということですよね。

  • 武村:よく聞かれますね。コロナ対策について「みなさん、どうですか?」と言われたときにすぐに答えられる。これはコロナ禍でのブライダル司会者としてすごく大事なことですよね。


⑤ どんなコメントで司会をしているの?

 
━━━コロナ禍での結婚式。司会者としてコメントにどんな工夫をしていますか?

  • 北原:先輩たちからぜひそのお話は聞きたいです! 本来、結婚式はポジティブなことなのに、新型コロナウイルスへの不安がある。そのために感染症予防対策のアナウンスが必要ですが、お願いごとばかりしているような雰囲気にならないように、司会のコメントで工夫したワードはありますか?

  • 北條:「ご協力を」という言葉を極力言わないようにしています。「ご理解ください」という言葉に置き換えたりしています。それからお二人のために、気持ちよく過ごしましょうね」とか「みなさまのために、安全にお過ごしください」と言った言葉も聞いていただきやすいですね。

  • 武村:先日、私が司会を担当した結婚披露宴の新郎新婦は音楽がお好きで、新郎新婦によるバンドの演奏もあって、集まったゲストも音楽やライブが大好きな人たちばかりでした。この披露宴で、お酒も入ってみなさまマスクなしでおしゃべりが盛り上がってしまいました。そこで「みなさまは、音楽がお好きですよね。ライブがお好きですよね。はい、それでは今、ライブを観るときの感染症予防対策はどうしていますか?」とアナウンスをしたら、急にぴたっとおしゃべりが止まって、みなさますぐにマスクをしていました。

  • 北條:上手い!

  • 武村:ゲストの方々がイメージをしやすい感染症予防対策のアナウンスだったと思うんです。「あ! そうだ!」とすぐに気づいていただくことができて、安全に感染症予防対策ができました。ですので、その披露宴のお客様がどんな方たちが多いのかということをお打ち合わせのときに進路新婦からお聞きすることによって、感染症予防対策のアナウンスも工夫を加えることができますよね。

  • 北原:お二人とも工夫されていらっしゃいますね。


⑥ 結婚披露宴の演出。どんな演出があるの?

 
━━━コロナ禍ならではの結婚披露宴の演出はどんなことを経験されていますか?

  • 北條:会場からオンラインで、遠方にお住まいのお祖父様やお祖母様、海外にいるご兄弟に繋いでインタビューをするということがありました。これまでだったら、地方や海外に住んでいても、結婚披露宴の会場に来ていただいていたのでしょうけれど、それができなくても、インターネットを通じて、会場と繋がることはできるといったことを実現できた演出ですよね。

  • 武村:ゲストが、iPadをいくつか持ってきて、会場に来られなかった人のお席に置いて、会場には来られないけれど、オンラインで出席をするということもよくありますね。コロナ禍の前は、遠方であるがために出席をあきらめていた方も多いかと思うのですが、コロナ禍でオンラインの活用が増えてきましたので、新型コロナウイルスが収束しても、良いアイディアとして今後も続いていくのではないかと思います。

  • 北原:新郎が韓国出身でご家族が韓国にいらっしゃるので、新郎のウェルカムスピーチのあとに、ご家族をオンラインで繋いで、お父様とお母様と妹様がご列席のみなさまにご挨拶をされるという場面もありました。

  • 武村:緊急事態宣言が発令されてアルコールの提供ができない時期に、余興で「利きワインコンテンスト」を予定していました。そこで「お酒がダメなら水でやろう」ということになって、利き水コンテストに切り替えたのですが、逆にワインよりも難しくて盛り上がったということがありましたね。「これがダメだからもうできない」ではなくて「では、何ができるだろうか?」を、新郎新婦、プランナーと共に一緒に考えていくということが司会者としてとても大事なことだと思います。

 
━━━「マスクの色当てクイズ」というのもありますよね。「新郎新婦は何色のマスクをして入場されるでしょう?」とクイズにして盛り上がる。本当に今はコロナ禍ならでは様々なアイディアの余興がありますよね。

  • 北條:スマートフォンを使った演出は今とても増えています。席次表やメニューは全てQRコードで読む。ペーパーレスにするというのもありますよね。1枚のカードにQRコードを付けておくだけで、そこに全てがある。新郎新婦からのメッセージやプロフィールなどもQRコードから見られるという仕掛けが一気に増えた感じはありますね。

  • 武村:ゲスト一人ひとりへのメッセージを、全て動画にして、QRコードにアクセスをするとその人に向けた動画メッセージが見られるといった準備をされた新郎新婦もいらっしゃいました。最近では、新郎新婦が公式LINEアカウントを作って、結婚披露宴が始まる前から公式アカウントから様々なコンテンツが伝えられてくるというのがおもしろかったですね。ゲストのが常に楽しめる工夫としてとてもユニークなアイディアだと思いました。

  • 北原:QRコードが増えてきたのは、結婚式や披露宴をされる新郎新婦がQRコードを当たり前のように使っている世代だということですよね。司会者はそういった時代のトレンドをキャッチしていくことは必要ですよね。


⑦ 新しい時代の結婚式。どんな感動が生まれているの?

 
━━━コロナ禍での結婚式は不安も多いと思いますが、実際はどんな雰囲気になっていますか?

  • 北條:結婚式での拍手の音がすごく大きくて、温かい感じがしますよね。新型コロナウイルスへの感染が本当に不安な方は、おそらく出席されていないと思うんですよ。だから今、結婚式に出席される方も命懸けなところはあると思います。だからこそ、本当にお二人のことを祝いたいという人がいらしているから、拍手の音にも「おめでとう」という気持ちがすごく込められているのではないでしょうか。それから、コロナ禍でなかなか人に直接会えなくなってしまったので、「2年ぶりに直接会えました」といった場面がたくさんあります。新郎新婦もゲストのみなさまも、やっと会えて嬉しいという気持ちも、会場を温かく包んでいて、とても幸せな結婚式になっていますよ。

  • 武村:新郎のご挨拶で「コロナ禍の中お集まりいただきましてありがとうございます」は、必ず言われる言葉ですよね。

  • 北條:「何回か延期してご迷惑をおかけしました」「今日まで不安でした」といったこともよくご挨拶でお話しになっていますけれど、その度に無事に今日が迎えられて良かったなと思います。

  • 武村:コロナ前よりも今の結婚式の方が幸せの濃度が濃くなった気がします。この大変な中でもお祝いの気持ちを伝えるために出席してくれたというゲストの顔を直接見ると、新郎新婦にとってもその嬉しさはひとしおだと思います。


⑧ これからの司会者に必要なことは? オフィスオリーブが大切にしていることは「寄り添う安心感」。

 
━━━これからの司会者にはどんなことが必要になってくると思いますか?

  • 武村:披露宴がお開きになってから、新郎新婦にご挨拶に行ったら、新郎新婦が目に涙を浮かべながら「武村さんに司会をお願いして本当に良かったです。結婚式をやるのが夢だったので、いろいろな困難があったけれども、無事に行うことができて、夢が叶いました」と言われたんですね。

  • 北條:司会者として、最高に嬉しい瞬間ですね。

  • 武村:そのときにブライダルの司会というのは「夢を叶えるお手伝い」をしているんだなということを改めて実感したんですよね。このコロナ禍で、多くの新郎新婦の夢を叶えるために、さらなる努力が必要ですよね。

  • 北條:コロナ禍で結婚式は挙げたいけれど、今やっていいのだろうか? と悩んでいる方はたくさんいらっしゃると思います。そんな新郎新婦に、私はこれまで自分が経験してきたことは全てお伝えして、とにかく安心していただきたいですね。

  • 北原:不安なだけで結婚式はしないという選択はして欲しくないと思っています。今はとても変化のスピードが速い時代なので、1年後には何が起こっているかわからない。ですので、「結婚式がやりたい」という、今のその気持ちを大事にしていただきたいです。そのためには司会者として、お二人に安心感を持っていただけるように努めていくことが必要だと思います。

  • 武村:コロナ禍になってできづらくなったことはあります。けれども、できないことが増えたから不自由になっているわけではない。むしろ、結婚式の幸せの濃度は上がっているし、安全にできている結婚式や結婚披露宴はたくさんあります。

  • 北條:そうですね。会場にはすでに新郎新婦やゲストが安心できる要素は揃っていると思います。そして、コロナ禍でできないことに対して、いかに司会者がアイディアを出せる力を磨いておくかということが必要になってきますよね。

  • 北原:最近は、価値観も多様化していますよね。例えば、司会者の私が抱いている価値観は、これからの新郎新婦の価値観とは違うかもしれない。だから常に、新郎新婦とはまっさらな気持ちで向かい合おうと思っています。例えばウエディングケーキのセレモニーで、ファーストバイトは必ずしも新郎から新婦が先じゃなきゃいけないってことはないじゃないですか。男女の役割も変化している。そういったことを柔軟に取り入れて司会をしていこうと思っています。

  • 武村:ブライダルの司会は、常にブラッシュアップしていかないと続けられるものではないし、時代の変化に合わせていくって大事なことですよね。

  • 北條:何より、新郎新婦のお話にじっくりと耳を傾け寄り添っていく「聞く力」が大切だと思います。お二人の気持ちを引き出すことは今までももちろん必要だったのですが、不安で言いづらくなっていることなどもあるでしょうから、それをより引き出して、司会者として柔軟に対応して、提案をしていく。そのために、語彙力を増やしたり、トレンドを研究したりといった勉強は必要だと思います。

  • 武村:私たちもただマイクを持って当日司会をするのではなくて、打ち合わせから結婚式の当日まで、新郎新婦としっかりコミュニケーションを取っていくことがすごく大事ですし、オリーブの司会者はみなさんそのことをとても丁寧にやっている方ばかりだと思います。

  • 北條:私は2011年3月11日、東日本大震災のときも披露宴の司会をしていました。いろいろなことを経験してきましたので、このコロナ禍で結婚式を挙げるか悩んでいる方は、まずはご相談くださいと伝えたいですね。私がどんなことでも受け止めます。そして、私は晴れ女なので、ご安心ください!

  • 北原:私はブライダル司会として新郎新婦のお二人にとって最適な結婚披露宴を一緒に作り上げる、そんな司会者でありたいと思っています。変化の絶えない時代で、様々な価値観がある今だからこそ、幸せな出会いをされて結婚をお決めになられたお二人の気持ちに誰よりも寄り添い、そして時代に合った司会者を心がけていきたいと思います。

  • 武村:コロナ禍に加えて、地震や戦争と不安なことが続き、「楽しい」と感じられる機会が減っていると思うんです。そんな中で、新郎新婦やゲストのみなさまに「今日は楽しかったです!」と言っていただけたら、私は司会としての役目を果たせたかなと思っています。ですので、私はとにかく楽しんでいただけることを1番に考え、打ち合わせのときから、お二人にとって結婚式の日が楽しみでたまらなくなるようなワクワクする気持ちと共に司会者としてしっかりサポートさせていただきます。オフィスオリーブは新郎新婦とゲストのみなさまの幸せに寄り添う司会者が揃っています。どうぞ安心してお任せください。


Master of ceremonies & performer
オフィスオリーブの司会者・パフォーマー